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第四回*2006 秋のパーティ 〜SILENT MALT とともに〜

2006年もいよいよ大詰め、札幌の街にも降雪の予報が出された11月中旬。[サロン・アルモニゼ]第四回目が初めて夕方6:30からという遅い時間スタートで開催されました。というのもこの度、ゲストにお迎えしたノンフィクション作家の曽我部氏は現在自らの醸造を計画中という程、シングルモルトの世界に心酔中とのこと。当日もボトルを持参され、皆で試飲しながらお話を聞くという趣向に合わせてのセッティングでした。
もちろん会場も、照明が抑え気味に調整されており、参加者一同、知人宅のリビングで寛いでいるような非常にゆったりとしたパーティとなりました。


パーティのオープニング。参加者一人一人の自己紹介を終えたところで、曽我部氏よりスポンサーの堺へ明日から書店に並ぶ予定という氏の最新作「笑う沖縄」のプレゼントがありました。というのも今回、日頃は里見に任せきりのゲスト選びに是非、曽我部氏をと強く押したのは堺本人。里見とはホッケーを通じて既知の曽我部氏を事前に堺に紹介していた経緯があり、その際の氏の会話にすっかり惚れ込んだ末との事でした。
さて、氏のお話はというと如何にしてモルトウィスキーの世界に足を踏み込んだかの説明後、里見からの最後のコメントにもある通り、20年前に突如閉鎖されたにも関わらず今だファンの心を捉えて放さないスコットランド、ポートエレン蒸留所のモルトウィスキーへの思いを背景を交えてご紹介。手元のショットグラスに注がれた透明なウィスキーから薫る芳香とともに堪能させていただきました。
さらにはご自身でモルツ醸造を試したいと思い立ってから今日に至るまでのトライ&エラーの思い出話。フリージャーナリストとして戦場を駆け抜けた時代の貴重な体験談。作家という現在の仕事への思いを裏話も交えてご紹介くださいました。
また、当日は弊社インテリア部にインターシップ生として通っていたインテリアデザイン専攻の学生によるプレゼンテーション実地研修の時間も用意されておりました。担当者である里見の方から出されていた課題は、会当日にお客様として出席いただいているカフェオーナー(現在弊社でプランニング中)へのプラン提示というもの。慣れないプレゼンテーションそのものと、若干なりともアルコールが入り高揚したテンションの来場者のなか、懸命に自分の中で膨らませて来たイメージを伝えようという姿勢が初々しく映りました。メインゲストの曽我部氏も建築士の資格をお持ちとの事で非常に積極的に参加、生徒さん一人一人の作品に対して詳細なアドバイスが飛び交いました。最後にはショップオーナー自ら、作品への感想とあわせてプレゼンテーションに関するノウハウを講義。実はオーナー、広告代理店を退職して奥様とともにカフェを始めるというオチがついていたのでした。(取材/R.H)

曽我部 司さんのプロフィール
・1958年 札幌市生まれ。ノンフィクション作家。
・1993年にパプアニューギニアの食人習慣を取材。
・94,95年に旧ユーゴスラビアの民族紛争を取材。
・2000年「ホッケー69─チェコと政治とスポーツと」(TBSブリタニカ)で第9回開高健賞奨励賞を受賞。近作「北海道警察の冷たい夏」(講談社文庫)では、覚醒剤の使用で、拳銃摘発のエースと言われた警部が逮捕された事件の深層を抉り、警察組織の腐敗を解明し話題に。
・2006年11月 笑顔と唄が溢れる沖縄の今は、この男なくして語れない…。戦禍で傷ついた沖縄の人々の心に活力を吹き込み、沖縄芸能の存亡の危機を救った男、小那覇舞天の胸の内と生き様を初めて描いた最新作「笑う沖縄」発刊

里見からのご挨拶
on 28th Augst 1979,Port Ellen Distillery(ポートエレン蒸留所/スコットランド)で蒸留されたシングルモルトと共に登場の曽我部氏は実は風邪熱とともに本当に“静かなモルト”の会になりました。
曽我部さんから「ポートエレンが英国やオランダの投資・買収からブランドを守るために自ら閉鎖を選択。蒸留所の暗い酒蔵に保護されていたモルトの一部がシクナトリー・ビンテージ社によって瓶詰めされ世界に…」というSILENT(沈黙の)MALTの由来の紹介があって皆様とともにショットグラスをかたむけましたがビンテージを語るのに言葉は役不足というものでしょう。皆様とは凝縮された時間との再会のために集まったように思われました。
お忙しい中を 皆様ありがとうございました。

 

◎弊社では今後も欧米文化にふれるサロンの開催を予定しております。興味・関心をお持ちの方はお気軽にお問い合わせください。